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弁護士コラム:【遺産相続】相続放棄と葬儀費用

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1 具体例

Nさんは,亡くなった父名義の預貯金から父の葬儀費用として150万円を支出しました。
ところが、その数日後、保証会社からNさんに対して父の生前における借入金の返済を求める封書が届きました。
この場合、Nさんが父名義の預貯金から葬儀費用として150万円を支出した行為は、相続財産の処分となり法定単純承認となるので、Nさんは相続放棄をすることができなくなるのでしょうか。

2 裁判例

裁判例では,相続財産からの葬儀費用の支出は、社会的見地から不当ではないので、相続財産の処分にあたらず、法定単純承認とならないとしたものがあります。

大阪高決平成14年7月3日 では、「葬儀は、人生最後の儀式として執り行われるものであり、社会的儀式として必要性が高いものである。そして、その時期を予想することは困難であり、葬儀を執り行うためには、必ず相当額の支出を伴うものである。これらの点からすれば、被相続人に相続財産があるときは、それをもって被相続人の葬儀費用に充当しても社会的見地から不当なものとはいえない。また、相続財産があるにもかかわらず、これを使用することが許されず、相続人らに資力がないため被相続人の葬儀を執り行うことができないとすれば、むしろ非常識な結果といわざるを得ないものである。したがって、相続財産から葬儀費用を支出する行為は、法定単純承認たる「相続財産の処分」(民法921条1号)には当たらないというべきである。」 としました。

3 最後に

以上、相続財産から葬儀費用を支出した場合、なお相続放棄ができるかについて説明しました。
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